ご挨拶

 第11回福井県作業療法学会を令和7年3月2日(日)にサンドーム福井で開催することとなりました。社会が大きく変化するなか2025年問題や2040年問題の解決に向けて地域包括ケアシステムの深化と地域共生社会の実現が求められています。これらに対して日本作業療法士協会は第四次作業療法5か年戦略で「人々の活動・参加を支援し、地域共生社会の構築に寄与する作業療法」をスローガンとしています。作業療法士が地域で役立つ専門職であることを示し地域社会に貢献することは喫緊の課題と考えます。県内では多くの作業療法士が医療、保健、福祉、教育などそれぞれの分野で日々作業療法を実践し活躍しています。一方で作業療法士が自分のキャリアデザインに悩み、未来に不安を感じている方もいると思います。自分の作業療法が対象者の生活を支援できているのか?自分の役割を果たし地域社会に貢献できているのか?と疑問を抱くこともあると思います。

 そこで、今回の学会のテーマを「作業療法で未来をDesignする」としました。『Design』には、人・ユーザー・社会にとって価値のある目的を見出し、それを達成できるモノゴトを計画し、他者が理解できる仕様として表現する、この一連の行為(ウィキペディア)という意味があります。作業療法も同じく対象者の生活で価値のある作業を見出し、目標を達成するために作業療法の知識、技術をすべて活用して計画をたて実践する一連のプロセスです。作業療法で対象者の生活をDesignして地域社会に貢献することで、地域に作業療法の専門性と有用性を証明することになると考えます。また作業療法士自身がそれに気づくことでやりがいや自信をもって日々の作業療法を実践できるのではないでしょうか。今学会では皆様の研鑚の場となるだけではなく、皆様の今後のキャリアデザインが描けるような場にしたいと考えております。たくさんの方の参加をお待ちしております。共に学び、共に考えましょう。

春江病院 リハビリテーション課

学会長  正真 康宏